電気工事における電線接続とは｜作業内容や注意点を解説

電気工事にはさまざまな作業内容があり、その1つに「電線接続」と呼ばれているものがあることは、ご存知でしょうか。この記事では、電気工事における電線接続作業に注目し、詳しく解説を行います。いわゆる結線についての解説です。

電線接続とは、いったいどのような作業か

電気工事は電気を安全に使用できるようにしたり、保守をしたりするために行われる工事を意味します。電気にまつわる工事全般を電気工事と呼んでいるため、実際の工事の内容はさらに細かく分類可能です。

私たちの暮らしに一番身近な電気工事は、いわゆる「配線工事」と呼ばれているものです。では、今回焦点を当てる「電線接続」とはいったいどのような作業なのでしょうか。

私たちの暮らしに欠かせない照明や家電製品の利用は、建物内にあらかじめ配線が敷かれており、配線を伝ってコンセントやスイッチに電気が供給されているからこそ、成り立つものです。

配線とは電線を敷くことを意味します。電線を安全に使用するためには、あらかじめ用意した設計図に沿って接続する必要があり、慎重に作業を行わなければなりません。

電線をつなぐ工事のことを電線接続といい、別名では「結線電気工事」とも呼ばれています。電線接続は電気の安全な利用には欠かせないものであり、電気工事の基礎となる作業のため資格の試験でも問われる工事です。

配線を敷き、電線をつなぐことがしっかりと行えることで、晴れてプロの電気工事士になれると言っても過言ではないでしょう。どちらかにミスがあったら、電線が過熱してしまったり、漏電を起こしてしまったり、断線が起きてしまうリスクがあります。

電線接続とは、電線をつなぐ工事を意味します。電線同士をつなぐとイメージすると、まるで結んだりホチキスのようなもので留めたりする行為を想像するかもしれません。では、電線接続の基礎とはどのような作業なのでしょうか。

基本的に、電線接続工事は「結線図」を理解することが必要になります。たとえば、自宅でも欠かせない存在のスイッチは、結線図を作ったうえで、実際の電線接続工事を行います。結線図とはいわゆる電線の設計図です。

さまざまな建物にはいろいろな種類のスイッチが設置されています。まずは片切りスイッチを通して電線接続工事を理解してみましょう。

・片切りスイッチ配線とは
片切りスイッチとは、自宅にある照明のスイッチを想像するとわかりやすいでしょう。スイッチの左右どちらか側だけがオンとオフの切り替えのために稼働するものです。

電圧の負荷が少ないため、多くの一般住宅やマンション、アパートで見られるスイッチです。片切り配線スイッチは電線接続工事が行いやすいため、基礎知識をマスターする際に活用されます。

例として、AC100Vの電源を用意し、プラス側を片切りスイッチにインします。次に、AC100Vのマイナス側を換気扇や照明など、必要箇所に接続させます。最後に接続させた負荷の換気扇や照明側から片切りスイッチに接続をすれば、配線が完了します。

この一連の作業を電線接続工事（結線電気工事）と呼びます。三路スイッチのように、スイッチに求められる内容が多くなると、作業内容はさらに複雑となります。

電線同士を単純につなぐ作業を実施する場合には、どのように安全に進めると良いでしょうか。電線や配線などの基礎知識として知っておくと良いのは、電線の「組み合わせ種類」についてです。

電線同士には相性のようなコンビがあり、単線なら単線同士、より線ならより線同士という接続の基本があります。（単線とより線も接続作業はできます）では、以下にて結線方法を紹介します。

電線同士はボタンとボタンホールのように、接続しやすい凹凸があるわけではありません。たとえば、無線LANのケーブルなら、先端がパソコンなどの電子機器に接続しやすいように設計されているでしょう。

しかし、単線などの電線同士はこのような接続しやすい形状にはなっていないのです。そこで、ハンダを使って接続する方法があります。ハンダは「はんだ」と平仮名で表記されることも多く、合金によって金属や電線同士を接続する方法です。

電気系の学校や工学系の授業で学んだことがある人も多いでしょう。電線接続にもハンダはポピュラーな存在です。なお、専門性の高い技術のため、電気工事士の専門分野です。

屋内配線でもポピュラーな電線接続の方法には、圧着端子を使って工事をする方法も挙げられます。圧着端子とは、電線同士をつなぐために作られた端子のことです。

電線に向かって端子に圧力をかけることで接続させます。合金を使わなくて良いため、電気工事の現場で多く活用されている手法です。屋内以外で電線接続を圧着端子で行いたい場合は、防水性に優れたものを使わなければ錆びてしまうリスクがあります。

そのため、電気工事士に依頼することが大切です。電線も圧着端子も簡単に手に入るものですが、工事は専門家に依頼しましょう。

電線接続をより安全に行うために開発されたコネクターも販売されています。工具が必要ないため短時間で電気工事を進めていきたい際に、積極的に使用されています。屋内配線には欠かせないアイテムといえるでしょう。

電線接続はハンダを使わなくてもできるため、LANケーブルをつなぐ感覚でチャレンジしたいと感じる人は多いでしょう。しかし、電線接続は電気工事の一種に該当するため、DIYはできません。もしもミスがあったら、火災や漏電のリスクもあります。

電気工事の作業は基本的に「電気工事士」と呼ばれる資格がなければ施工できません。

もちろん自宅であっても、DIYは禁物です。電気工事士は第二種および第一種があり、電気系専門学校や大学などを卒業していなくても、資格試験には挑戦できます。

電線接続や配線工事に関心がある方は、ぜひ資格取得に挑戦してみてください。

今回の記事では、電気工事の1つ「電線接続」について詳しく解説を行いました。また、電線接続の基礎工事としても知られる片切りスイッチについても触れました。電線に関する工事は、高度な技術と知識を要するためDIYはできません。

電気工事全般に関する疑問やご要望は、電気工事の専門家に尋ねてみてください。