電気工事におけるモール工事とは、一体どんな工事を意味する?
電気工事には色んな工事がありますが、その中には「モール工事」と呼ばれるものがあります。
モール工事とは、電気の配線工事を行う際にモールと呼ばれるものを使って施工する工事です。
見た目にもスッキリできる工事として知られており、ご自宅にも見られるかもしれません。
今回はモール工事に迫っていきましょう。
モール工事に使うモールとはどんなもの?
電気工事の中でも配線工事を実施する際には、「モール工事」と呼ばれる工事が実施されることがあります。
モール工事とは、「モール」と呼ばれる道具を使って配線をスッキリとさせる工事のことです。
床や壁などに配線工事を実施する場合、配線がむき出しの状態ですと害虫にかじられてしまったり、足で踏んでしまったりと危険がともないます。
そこで、モールの登場です。
配線を保護して床や壁に安全に配線できるようにカバーをする役割を果たします。
そのため、モールは製品によっては「配線カバー」の名称で販売されていることもあります。
電気に関係する配線なら色んなシーンで応用されており、LANケーブルの配線の際にも活用されています。
モールの素材や形状とは
では、電気工事に使われるモールは一体どんな素材でできているのでしょうか。
モールは主にプラスチックで作られていることが多く、軽いことが特徴の1つです。
また、場所によっては金属のモールが必要となるため、メタルモールと呼ばれる金属モールも存在しています。
プラスチックと言っても軽くて一般的な素材感のものもあれば、硬質な特殊プラスチックのものもあります。
硬質のものは非常に硬度が高く、交通量の多い場所でも耐えられるため外部での配線工事における一時的な保護にも使われます。
家庭内の配線工事向けにだけモールがあるわけではなく、外部の工事・配線に関する工事でもモールが使用されているのです。
形状にもユニークな形がたくさんあり、配線をフルカバーするような形状もあれば、床用モールのようにドーム型で配線をカバーするものもあります。
素材も形状も使用用途に合わせて選択できます。
モール工事はどんな時に行われるの?
電気工事におけるモールを使った工事は、冒頭に触れたように配線工事を行う際に実施されています。
この項ではもう少し具体的にモール工事の詳細について紹介します。
ご家庭内の電気の配線は、新築時にはなるべくスッキリと壁の内側に収まるように工事が行われています。
しかし、コンクリートの造りの家などで追加の配線工事が必要となったり、LAN工事が実施される場合にはコンクリートの内側に配線工事を実施することができないため配線は露出した状態で工事をせざるを得なくなります。
そこで、モールの出番なのです。分電盤から必要箇所にまで配線をし、モールを使って工事をします。
配線状態を安全な状態に確保します。
基本的には壁の天井に近い所に配線を沿わせるような形で工事を実施し、床に配線せざるを得ない場合には、床専用のモールで工事を行います。
オフィスの景観維持にもおすすめのモール工事
モール工事はご家庭の電気配線工事によく行われており、ちょっとした場所にもモールが取付られていることがわかりますが、オフィスにおけるモール工事も頻繁に行われています。
では、モール工事とは一体オフィスにどんな効果があるものでしょうか。
床の景観保護ができる
オフィスはどうしてもパソコンなどのOA機器関係の配線が多く、そこら中に配線が散らばっている状態になります。
そこで、巾木に対して沿うように配線工事を行い、すっきりと角型モールを使った工事が実施されることがあります。
床の上が綺麗に整うので、景観保護のためにもおすすめの工事です。
ケガを防ぐことができる
モールの中にはUDモールと呼ばれるドーム型の物が販売されています。
なぜドーム型をしているのかというと、角形のモールの場合は角があるため、ヒールなど靴のソール部分に引っかかると転んでしまう可能性があるからです。
オフィスで働く方々の作業効率を落とさないためにも、足元に配慮がなされたモール工事が重要です。
電気工事におけるモールとダクトの違いとは
電気工事において配線をスッキリまとめる場合に使われるモールですが、その他にも配線においてはダクトと呼ばれるものも存在しています。
ではモールとダクトの違いとはどのようなものでしょうか。
配線ダクトにはスリットが入っている
配線を守るためにある、という意味ではモールとダクトは同じですが、配線ダクトには「スリット」が入っています。
また、配線ダクトは壁に沿うように使われることはなく、分電盤内の配線整理などで使われることが大きな特徴です。
配線ダクトには屋外型やレールなども存在しており種類も豊富です。
どの種類においても重要なことは、見えにくい場所に設置するものであるため、湿気などの水分にも強いことが重要です。
耐水性がないと電気トラブルを招く可能性があるので注意しましょう。
配線ダクトは照明の色を変える際に使用する場合もあります。
その場合には熱に強い種類を使用することも重要です。
配線ダクトを使用する工事はこのように、耐水性や耐熱性に配慮しながら実施する必要があるため電気工事会社におまかせいただくことが基本です。
配線ダクトにも色んな種類があり、ナイロンやプラスチックの種類などがあります。
モールは露出して使う
レイアウトにも配慮をしながら設置できるモールは、電気工事の際にも露出することを前提に行われます。
見えるかどうか、というポイントがダクトとモールという類似した2つの部材を分けるポイントです。
それぞれの持ち味が異なっているので、使い方に関しては電気工事のプロに相談の上で決めましょう。
ダクトもモールもネットで簡単に購入をすることができますが、電気工事は電気工事士が行うことが法律で定められています。
まとめ
この記事では電気工事の中でも配線をすっきりとまとめるための「モール」についてお送りしました。
そういえば、これもモールかも、とお部屋の中に気になる箇所があったらぜひ近くで観察してみてくださいね。
配線に関する工事は電気工事士に依頼をすることが大切です。
暮らしを明るく照らしてくれる電気工事は、常に安全に実施しましょう。