電気工事をする際に発生する「停電作業」とはどのような作業ですか?
電気工事を行う際には、作業者などの感電を防止して安全を確保するために、一時的に停電作業へ切り替える場合があります。
では、停電作業とは具体的にどのような作業を指すのでしょうか。
今回の記事では電気工事を依頼する際に気になる停電について、さまざまな視点から詳しく解説します。
電気工事中に要請される停電作業とは
ご家庭やビルなど、いろいろなシーンで欠かせない電気ですが、定期的なメンテナンスや配線の追加工事などを行う際には、一旦電気を停電させることがあります。
電気工事が予定されている場合、あらかじめ電気工事業者側から作業日や行われる工事・点検の内容、そして停電する時間帯に関してアナウンスがなされます。(アナウンス方法は書面やはがきで行われることが一般的です)
では、なぜ電気工事中には電気の流れをオフにする、停電作業が行われるのでしょうか。
停電作業の概要
ご家庭内の配線工事を行う場合、すでに入居されている場合は住まいの中のあちこちに電気が流れています。
照明や家電製品、水回り全般も電気を使って稼働しているため、配線工事を実施する際には住まいのブレーカーを一度オフの状態にして、作業に従事します。
配線に触れる際に感電リスクがあるほか、作業内容によっては漏電してしまう可能性もあるためです。
作業者や建物全体の安全を確保しながら電気工事を進めるためにも、工事中は停電させ手作業に従事します。
また、一般家庭やテナントなどの建物に絞ってのみ電線のトラブルなどが見つかったり、自然災害による影響を感知した場合にはエリア全体を停電させて作業に従事するケースもあります。
こうした大規模な停電作業の場合には、あらかじめ通知が行われる場合もあれば、急なトラブルで予告なく停電する場合もあります。
電気設備トラブルの場合、自動感知で停電することも
一般家庭では想像しにくいですが、大規模な店舗や工場、高層ビルなどでは非常に多くの電力を毎秒消費しています。
電気設備のトラブルがこうした大型施設で起きてしまうと、火災などの巨大なトラブルに発展してしまうため、危機管理が厳重に行われていることをご存じでしょうか。
大型施設で電気系統の異変が起きた場合には、変電所が自動でトラブルを感知する仕組みを導入しています。
巨大な火災を防ぐ効果がある一方で、連動して施設があるエリア一体が停電してしまうこともあります。
安全ためにはやむを得ない処置ですが、回復までに時間を要することもあります。
安全に作業・回復のための停電作業を行ったあとに電気が復旧するため、時間がかかってしまうこともやむを得ないのです。
事前に停電作業がわかっている場合、どうするべき?
リフォームやメンテナンスなどの機会に電気工事を実施する場合、安全に作業を遂行するために停電作業を告知されることがあります。
では、一般家庭において電気工事の際に停電作業が予告されたら、どのように対処するべきでしょうか。
常時通電のいらない家電製品はプラグを抜こう
家電製品のなかには常時通電しておく必要があるものが存在しますが、一般的な家電製品の場合は常時通電の物も多いでしょう。
特にパソコンなどの電子機器は停電によってデータが落ちてしまうなどのトラブルが予想されるため、事前に停電する時間帯が判明しているケースでは確実に電源を落とし、保護しておく必要があります。
特に在宅ワークの方は停電作業中は作業が出来なくなるためご注意ください。
冷蔵庫・冷凍庫には要注意
本来常時通電が必要である冷蔵庫や冷凍庫ですが、停電作業中は冷却ができなくなります。
食材によってはダメージが発生するため、事前に食材を使いきるなどの対策が必要です。
軽微な作業であればわずかな停電作業時間で完了しますが、いろいろな箇所のメンテナンスや補修、配線工事などを行う際には、冷却作用が失われていきます。
特に夏季は急速に温度が上昇するため、冷凍庫内も結露のような状態に陥りやすいため、注意しましょう。
警備システムにも注意を
停電作業中は住まいの電気のすべてが停電状態となるため、警備システムにも大きな影響を及ぼします。
インターホン、防犯カメラなどが使えない状態となるため、注意が必要です。
また、停電が発生すると警備会社が駆け付ける場合があるため、事前に停電作業が予告されている場合には、契約柵の警備会社に作業予定日と時間帯を伝えるようにしましょう。
マンション・アパート独自の注意点も
マンションなどの大型住宅の場合には、揚水ポンプの使用が停止するため、水も止まってしまう場合があります。
すると、トイレも使えなくなるため注意が必要です。
浴槽などに水を汲み置きし、長時間の停電に備えておくこともおすすめです。
水回りの供給のストップは生活に大きな影響を受けるため、停電作業が予告されており、不安がある場合には注意点を工事業者側に確認しておくことがおすすめです。
わずかな時間で終わると予告されていても、作業内容によっては延びてしまう場合もあります。
タイマーなどにも注意を払おう
停電期間を経たあとに電気が復旧すると、止まっていた時間がカウントされないまま家電製品が稼働を始めます。
デジタル時計やタイマー等が停止した時刻からカウントし始めることも多く、再設定を要する場合があります。
つい忘れてしまいがちな作業ですが、ご注意ください。
電気工事は事前にしっかりと備えよう!
電気工事を実施する場合は、今回解説のとおり停電作業を行うことがあります。
一般家庭の場合であっても家電製品を慎重に扱い、冷蔵庫・冷凍庫の対処にあたっておくなどの注意点があります。
電気工事を実施する前には、電気工事業者側からどのような作業が行われ、どのような注意点があるのかしっかりと説明を受けるようにしましょう。
また、ブレーカーを落とした状態であっても、万が一に備えて電気工事作業中は家電製品のスイッチのオン・オフをしないように注意してください。
電気工事は正しく行う必要があるため、当日は業者の指示にしっかりと従うようにしましょう。
まとめ
この記事では電気工事の際に行われる「停電作業」について詳しく解説を行いました。
停電作業は一見すると面倒に感じますが、作業者はもちろん、建物や施工主の方の安全を守る意味があります。
適切な作業のためには、どうしても停電する時間帯が必要です。
工事の際には停電の影響を受けにくくするために、今回紹介した注意事項を参考に家電製品などの取り扱いにご注意ください。