電気工事と電気通信工事|2つの工事の違いを学ぼう!
電気工事とは、私たちの暮らしに欠かせない電気を安全に使うために欠かせない工事です。
電気工事のなかには「電気通信工事」と呼ばれるものもあり、2つの工事は分けて説明されることもあります。
今回の記事ではこの2つの記事の違いについて詳しく解説しますので、ぜひご一読ください。
電気工事と電気通信工事にはどのような違いがあるのか
私たちの暮らしに必要な電気は、主に電気工事と呼ばれる工事で整備がなされています。
電気工事は非常に広い意味で使われている用語です。
家庭内に電気を安全に引き込むために行われる「配線工事」はもちろんのこと、インフラに関する工事や電気の保守点検に関する工事も電気工事として扱われます。
では、今回比較して解説する「電気通信工事」とは一体どのような工事なのでしょうか。
まずは電気通信工事の概要を解説します。
電気通信工事の概要
電気通信工事は「通信」の名称のとおり、情報や通信に関する工事のことを指します。
具体的に解説すると、ネットやテレビ、電話などに関する工事です。
また、通信からは少し逸れて感じるかもしれませんが、火災報知器に関する工事なども電気通信工事に該当します。
電気通信工事近年需要が多い工事として知られており、特にLANに関する工事は非常に需要が高い工事です。
パソコンをはじめとする電子機器には欠かせないLANはオフィスだけではなく、スーパーや病院、学校などの施設にも欠かせない存在です。
また、マンションやアパートには近年入居時の段階からLAN工事が終わっていることが多いでしょう。
無料のWi-Fiも整備されていることが多く、こうした集合住宅への工事も電気通信工事の需要アップに貢献しています。
電気通信工事と電気工事はどう違うの?
では、電気通信工事と電気工事は一体どのような違いがあるのでしょうか。
この2つの工事を分けるものとしては、「資格の違い」を挙げることができます。
電気工事は基本的に電気工事士の資格が必要です。
電気工事士には第二種電気工事士と第一種電気工事士の2つの資格がありますが、いずれも国家資格であり電気工事に安全に携わるためには欠かせない資格となっています。
では、電気通信工事にはどのような資格が必要でしょうか。
電気通信工事には電気通信主任技術者と呼ばれる資格が必要です。
この資格も電気工事士と同様に国家資格の1つです。
取得すると有線電気通信設備やデータ通信にかかわる工事などに従事できます。
通信分野に関する専門性の高い工事を担うことになるため、近年取得を目指す方が増加している資格です。
電気工事とは異なり、通信に関する設備は「弱電」と呼ばれています。
そのため電気通信工事に携わる場合には、弱電設備に関する工事の分野に従事することになります。
電気通信工事分野で活躍するためには
電気工事に携わる場合に、通信に関係する工事に突き進みたい場合には、通信関係の工事を多く受注している工事業者に就職を目指すことがおすすめです。
インターネットの回線や保守点検などを担っている工事や、ケーブルテレビ関係の会社、電話やネット回線の工事業者などを探してみましょう。
通信に関係する電気工事は需要が多いため、求人サイトなどで検索してみると情報が多く公開されています。
先に触れましたが火災報知器などに関する工事も電気通信工事に該当するため、防災設備の整備や販売に関する業者も電気通信工事分野に分類されていることがあります。
また、警備会社の一部でも積極的に電気通信の資格保持者を募集していることも多くなっています。
この背景には防犯カメラ需要の高まりがあります。
適切な通信工事を求める警備会社が増加しているのです。
このように、電気工事並みに電気通信工事の分野にも求人は多く、ご自身に合った工事をじっくりと検討されることがおすすめです。
電気通信工事分野の活躍を目指して資格を取ろう!
電気通信工事分野で活躍を目指すためには、「電気通信主任技術者」の資格を取得することがおすすめです。
では、この資格はどのように取得することができるのでしょうか。
電気通信主任技術者には2つの試験種類があります。
1つ目は「伝送交換主任技術者試験」です。
そして2つ目は「線路主任技術者試験」です。
いずれの試験も難易度は高いですが、しっかりと学んで挑めば合格は取得できます。
この試験は電気通信事業法の第48条に沿って行われており、取得することで電気通信ネットワークの工事や維持、そして運用に関する監督責任者になることができます。
資格取得の流れ
電気通信工事の会社に就職したり、独立を目指したりする場合には、電気通信主任技術者を取得して施工に携われるようにスキルアップしましょう。
定期試験は現在全国15地区で開催されており、試験会場は申し込み後に届く受験票に掲載されています。
定期試験に関しては日本データ通信協会が公開している受験の手引きを参考に進めましょう。
試験は年に2階行われています。
参考までに令和4年度は7月と令和5年の1月に試験が開催されています。
その他に目指すべき資格はある?
電気通信に携わる以上はその他の資格も知ってきたいですよね。
そこで、次におすすめの資格は「電気通信工事施工管理技士」です。
この資格は数多くある施工管理技士資格の中の1つで、国土交通省が管轄をしている国家資格の1つです。
この資格は施工管理技士として電気通信工事の施工計画を立案、遂行していく資格で現場の安全管理に関しても指導していくことができます。
つまり、現場の責任者としてスキルアップしたいなら欠かせない資格といえますね。
この資格は1級と2級があります。
電気通信工事には欠かせない資格として知られており、技術管理者として信頼と実績を求めるなら必須と言えるでしょう。
1級を目指す場合には2級の取得後に実務経験を5年以上積み重ねることが必要ですが、卒業校次第では必要年数が変わりますので、受験資格については下記の一般財団法人全国建設研修センターを参考ください。
まとめ
この記事では電気工事と電気通信工事について比較しながら、需要が高まっている電気通信工事で働くためのヒントも併せて解説しました。
電気工事に関する必要資格は電気工事士が広く知られていますが、今回ご紹介のとおり電気通信主任技術者や電気通信工事施工管理技士などもあります。
ぜひこの機会に取得を目指して、学びをスタートさせませんか。