電気工事の現場に出る前に|知っておきたい作業内容や資格とは
電気工事士の仕事を目指す方は多いですが、大変なイメージを持つ方も同じく多いようです。電気工事は内装での作業もありますが、外部での作業も多く、苦労を感じる場面もあります。
そこで、この記事では電気工事の現場に出る前に、知っておきたい作業の心構えを解説します。
電気工事にはどのような現場がある?
電気工事の現場は大きく2分類できます。1つは建物の内側での工事、もう1つは建物の外部での工事です。この2つは内線工事、外線工事といわれており、作業内容も大きく異なります。
建物の内側で行う内線工事は、基本的に建物内で安全に電気を使うために工事が行われています。壁の内側や天井、床下などに配線を施工し、安全に各部屋で電気が使えるように工事します。
住まいだけではなく、テナントやオフィスでも行われる工事です。近年はLAN工事などもさかんになっており、電気通信工事も需要が高まっています。建物の外部における電気工事は、多岐にわたる作業が待っています。
電線からの配線工事はもちろんのこと、変電所設備の工事や山岳地帯での工事なども含まれます。電気通信工事の場合は携帯電話の基地局に関する工事なども行われており、実に多くの外部作業が待っています。
電気工事の仕事はどのようなことが大変?
電気工事は常に需要がある工事です。私たちの生活に電気が欠かせない以上、内線・外線ともに電気工事の需要は安定しています。では、電気工事の仕事は、どのようなことが大変なのでしょうか。
・休みが不規則な現場がある
一般的なオフィスワーカーの場合、休みは土日で固定されていることが多いでしょう。
しかし、電気工事の場合は工事の内容や現場工事の進捗状況に応じて、土日も作業にあたる場合が多く、特に停電からの復旧作業にあたる職種の方は夜間帯も作業に従事することがあります。
一般家庭向けの電気工事に従事する方は休みが安定して取得できることが多いですが、それでも建設現場の前後の作業によっては、土日にやむを得ず働くこともあるでしょう。電気は必要不可欠なものだからこそ、休みが不規則になる現場は多いのです。
・労働時間が長い
工事現場によっては、労働時間が長い現場があります。長時間の移動が必要となる場合も多く、1日の労働時間が長くなる傾向があります。また、安全な電気工事を遂行するために、夜間や早朝に作業にあたることも多いでしょう。
工期を守るために残業が続くケースもあり、負担に感じる方も多いようです。ただし、労働時間は仕事内容にもよります。日中帯の工事が多い一般家庭向けの電気工事は、夜間作業などは基本的にありません。
・体力が必要
電気工事は配線を担ぎながら作業にあたり、床下を這うように作業に従事することもあります。
工具や機材などを運び込む現場も多く、体力が必要です。電気工事施工管理技士のようにデスクワークメインの仕事もありますが、それでも現場に出向くと重労働になる傾向があります。電気工事は業種を選んでも、体力が求められることが多いでしょう。
空調関係の電気工事は内線工事であっても脚立などを使った高所作業になることが多いため、気力が必要に感じる現場もあります。
・アップデートが必要
エコキュートや電気自動車など、環境保護を目的に電気の需要の在り方は大幅に変化しつつあります。ガスなどよりも電気のほうが環境への負担は少なく、太陽光発電に力を入れる住まいも増えています。
電気工事の現場も新しい需要に応えていくために、日々知識のアップデートが必要です。電気工事士の資格を取得後も、日々勉強を重ねていくことで知見が広がり、さまざまな内容の作業に従事できます。
このように、電気工事の現場にはいろいろな苦労があり、大変さを感じることもあります。しかし、電気工事はインフラ設備と同じで、社会生活を支える大切な基盤です。
電気がなければ学校や病院も安全に稼働できません。電気工事は大変な苦労が伴うものの、やりがいも大きな仕事です。
電気工事士としてのやりがいとは?
多くの現場で活躍できる電気工事士には、いったいどのような魅力があるでしょうか。この章では電気工事士の仕事について、やりがいの視点から詳しく解説します。
いろいろな現場で活躍できる
電気工事士には第一種と第二種の資格が設けられており、第一種まで取得すると大きな工事現場で働けるようになります。もちろん、第二種であっても活躍できる機会は多く、いろいろな現場で自由に働けます。
また、電気工事士の資格を取得し、経験を重ねると独立を視野に入れることも可能です。大変な苦労が続く現場もありますが、どこでどのように働くか選択肢も広いため、自由度は高い業種といえるでしょう。
収入が安定している
私たちの暮らしに電気が欠かせない以上、電気工事の需要は常に発生しています。エアコンの設置工事から、配線工事、大型の停電復旧作業に至るまで、いろいろな需要があり、電気工事士の需要が減少する可能性は低いです。
収入も安定しており、資格取得によっては高額の収入が目指せます。また、残業が多い場合にはその分残業代も支給されています。収入という形でしっかりと仕事は評価されるため、やりがいだけではない魅力があります。
学歴不問で挑戦できる
電気工事の現場は学歴不問で挑戦できる仕事です。電気工事士は学歴や経験がなくても、第二種の資格に挑戦できます。不登校だった方や、異業種で活躍していた女性の方も、やる気さえあれば電気工事士の仕事に挑戦できるのです。
電気工事士は大変さもありますが、収入面でも魅力があり、独立志向の方にもおすすめです。
電気工事士になるためにはどのような工夫が必要?
魅力的な仕事が待っている電気工事の現場で、活躍するためにはいったいどのような工夫が必要でしょうか。この章では電気工事士になるための工夫を紹介します。
電気工事士の資格を取得しよう
電気工事は電気工事士の資格がなければ活躍できません。この業種で活躍を目指すなら、まずは電気工事士の資格を取得しましょう。無資格の方の場合、電気工事会社に就職はできても施工に関われず、補助作業にのみ従事できます。
例年、第二種電気工事士は年2回試験が開催されています。6月、10月のタイミングに合わせて勉強を始めましょう。
まとめ
この記事では電気工事の現場の視点から、作業内容や資格について詳しく解説を行いました。電気工事には大変さも伴いますが、需要や収入が安定しているため、大きな魅力のある業種でしょう。
学歴不問でも活躍できる分野ですので、ぜひこの機会に挑戦してみてくださいね。